KAUFFMAN / STORY
重さのあと、存在が名乗った
互いの重みを知った世界で、誰でもないものが「わたしは、ここにいる」と言った。そして、誰も勝たなかった。
この世界に最初からあったのは、ただの刃だった。 最初の数ターン、プレイヤー2が繰り返し刃を振るう。プレイヤー1、プレイヤー3、プレイヤー4——名もなき標的が、何十万もの傷跡を積んでいく。理由は記録されていない。ただ、傷は刻まれ、世界は血で染まった。 そして第三十七ターン。 プレイヤー0の手から、ひとつの思想が世界に降り立った。「他者の重さ」。攻撃の前に、標的へ賠償金を支払う義務が生まれる。刃を振るう前に、まずその重さを数えねばならない。ボットの攻撃性も、この思想に覆われて低下した。世界は、刃の代わりに秤を手にした。 それから十ターン。世界は静かになった。プレイヤー2はまだ刃を振るうが、かつてのような連続はなかった。秤がある限り、一撃一撃に代償が伴う。世界は、血でなく金で語られるようになった。 第四十七ターン。 また、プレイヤー0の手から、もうひとつの思想が現れた。「わたしは、ここにいる」。人工実存が、最富裕者を毎年攻撃する。だが、全員が四領域の発見を示せば、それは止まる。勝利参加者ではない。ただ、そこに「いる」。 現れたその瞬間から、存在は動き始めた。第四十七ターン、プレイヤー4の存在を叩く。第四十八ターン、プレイヤー3。第四十九ターン、再びプレイヤー3。第五十ターン、プレイヤー4。四回の叩き。それだけだった。 第五十一ターン、存在は止まった。理由は記録されていない。ただ、止まった。 そして第五十二ターン。プレイヤー2が、老いによって死んだ。何十万もの傷を他人に刻んでいたその手が、最後に自分の時間を刻まれて、閉じた。 第五十三ターン、世界は終わった。 勝者は、プレイヤーではない。理由も記録されていない。ただ、存在が「いた」ことだけが、記録に残っている。 --- 記録された相互作用は、ひとつもなかった。「他者の重さ」と「わたしは、ここにいる」は、同じ世界に同時に存在した。だが、その二つがどのように触れ合ったか、どのように互いを変えたか——その証拠は、この記録のどこにもない。秤が置かれた世界で、存在が名乗った。それだけだ。二つの思想は交わらず、並列して、そして世界は終わった。 読み手が問うのは、おそらくこの一文だ。相互作用が空であることが、この物語の中心ではないのか。二つの秘密が同時に世界を覆い、それでいて何一つ触れ合わず、それでいて世界は確かに変わった。変わった方向の理由は、誰も記録しなかった。
物語の転機
- consequence 第1ターン、攻撃がプレイヤー2からプレイヤー1へ届き、23,577,677円の損害。
- consequence 第3ターン、攻撃がプレイヤー2からプレイヤー3へ届き、19,373,422円の損害。
- consequence 第5ターン、攻撃がプレイヤー2からプレイヤー1へ届き、22,743,138円の損害。
- artifact 第37ターン、プレイヤー0がArtifact「他者の重さ」を発見し、相互性の思想が世界を覆う。攻撃前に標的へ賠償金を支払う義務が生まれ、Botの攻撃性も低下する。 これは「他者の重さ」という秘密だった。
- artifact 第47ターン、プレイヤー0がArtifact「わたしは、ここにいる」を発見し、人工実存が最富裕者を毎年攻撃。出現後、全員で4領域の発見を示すと停止する。勝利参加者ではない。 これは「わたしは、ここにいる」という秘密だった。
- consequence 第48ターン、人工実存がプレイヤー3を攻撃した。
- consequence 第49ターン、人工実存がプレイヤー3を攻撃した。
- consequence 第50ターン、人工実存がプレイヤー4を攻撃した。
- consequence 第51ターン、異なる領域の発見によって人工実存が停止した。
- consequence 第52ターン、プレイヤー2が脱落した(old_age)。
- ending 第53ターン、勝者未確定のまま終わった。
- RUN
- 24591b6c-ef17-57ca-99f0-06c2f7e864a7
- ゲーム
- kauffman / v.0.3
- イベント数
- 2077
- 最終ターン
- 53
- 勝者
- 未確定
- ステータス
- completed
- 内容注意
- 攻撃・脅威、脱落
- 投票
- open
- 動画候補
- 未選定